この記事を書いた人

のぼじん|腎臓内科専門医 | CKDガイドラインシステマティックレビュー委員
医学論文や診療ガイドラインに基づいた情報発信を大切にしています。CKDと向き合うには、検査値を知ることに加えて、食事・運動・服薬・通院などを生活の中で続ける工夫も大切です。このブログでは、CKDの検査値の見方や生活習慣の考え方、努力だけに頼らず行動を続けるための仕組みを、専門医の立場から一緒に考えていきます。

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「尿潜血(+)」と書かれて不安になった方へ。この記事を読めば、尿潜血が何を意味し、次に何を確認すればよいかがわかります。
相談者さん健診で尿潜血が出ていました。なにか病気があるんでしょうか?



不安になりますよね。ただ、尿潜血が陽性というだけで病気は決まりません。
慌てずに、順番に確認していきましょう。
こんな経験はありませんか?
この記事では、そんなあなたの疑問を解決します。
腎臓内科専門医として、健診結果を手に不安を抱えて受診される方に、外来でお伝えしている内容をまとめました。
「血尿」と聞くと、赤い尿を想像する方が多いと思います。
しかし、健診で見つかる尿潜血は、多くの場合、見た目では尿の色に変化がありません。尿に血液の成分が含まれている可能性を、検査で拾い上げた結果です。


大切なのは、尿潜血(+)は病名ではないということです。
尿潜血が出たからといって、すぐに重い病気が決まるわけではありません。一方で、何らかの原因が隠れていないかを確認するきっかけになります。



陽性でも、すぐに病気と決まったわけではないんですね。



はい。ただし、何も確認せず放置してよいという意味でもありません。一時的な影響なのか、何か原因が隠れているのかを確かめることが大切です。
尿潜血は「病気が確定した結果」ではなく、「一度、原因を確認しましょう」というサインです。
尿潜血が出ると、「大変な病気があるのでは」と感じるかもしれません。
ただ、尿潜血は一時的な影響でも陽性になることがあります。たとえば、次のような場面です。


だからこそ、一度の結果だけで原因を決めつけるのではなく、状況を確認しながら再度検査する意味があります。
「たまたまだったかもしれない」という可能性を確認できれば、不要な不安を減らせます。また、繰り返し陽性になる場合には、次の検査や診察に進む必要があります。
一方で、尿潜血には、確認しておきたい原因もあります。
腎臓に炎症が起こる腎炎では、腎臓の細いフィルターから血液が尿へ漏れ出すことがあります。尿の通り道にできる尿路結石では、石が粘膜を傷つけて血が混じることがあります。
また、頻度は高くありませんが、膀胱や腎臓など、尿の通り道にできるがんが血尿をきっかけに見つかる場合もあります。
ここでお伝えしたいのは、「尿潜血があれば、がんだ」と考えることではありません。一時的な原因か、治療や経過確認が必要な病気かを見分けるために、再検査や受診が大切ということです。
病気の可能性を確認するときには、尿潜血の欄だけでなく、尿蛋白やeGFRも手がかりになります。
尿蛋白は、腎臓のフィルターが傷んでいないかを知る手がかりです。eGFRは、腎臓が現在どれくらい働いているかを示す数字です。
尿蛋白やeGFRについて知りたい方は以下の記事も参考にしてください。




とくに、尿潜血に加えて尿蛋白が出ている場合や、eGFRが低い場合には、腎臓の病気を考えて確認する必要性が高まります。


尿蛋白とeGFRの読み方は、それぞれ別の記事で詳しくご説明しています。検査結果に同時に印がついていた方は、あわせて読んでいただくと、自分の状況を整理しやすくなります。
尿潜血は一時的なこともありますが、腎炎・結石・尿路の病気が隠れていることもあります。自己判断で放置せず、指示された確認を受けましょう。
健診で尿潜血を指摘されたら、結果票を捨てずに手元に置いておきましょう。受診するときに、今回の結果だけでなく、過去にも同じ指摘があったかを確認できるからです。
結果票に「再検査」「要受診」「要精密検査」などの案内があれば、指示に沿って医療機関へ相談してください。
再検査は、単に同じ検査を繰り返しているわけではありません。一時的な影響で出たものなのか、繰り返し確認される所見なのかを区別するための大切な一歩です。



症状がなくても、再検査は受けたほうがいいですか?



はい。症状がないからこそ、結果をもう一度確認する意味があります。何も問題がなければ安心につながりますし、必要な病気があれば早めに対応できます。
再検査は不安を増やすためではなく、「一時的な結果か」「確認を続けるべきサインか」を整理するために行います。
尿潜血を指摘された方のなかでも、次のような場合には、健診の次回まで待たず、早めに医療機関へ相談してください。


健診で尿潜血を指摘された場合は、まず健診結果に記載された案内に従い、かかりつけ医または泌尿器科へ相談しましょう。
そのうえで、尿蛋白も出ている、eGFRが低下している、以前に腎炎と言われたことがある場合には、腎臓内科での確認が必要になることもあります。
相談先に迷う場合は、結果票を持ってかかりつけ医に相談することから始めて構いません。結果を確認しに行くという行動が、漠然とした不安を具体的な判断に変えてくれます。
健診で尿潜血を指摘されると、驚いたり、悪い病気ではないかと不安になったりするのは自然なことです。
尿潜血は、月経や運動、感染などの一時的な影響で出ることがあります。一方で、腎炎、尿路結石、膀胱や腎臓など尿の通り道の病気が隠れている場合もあります。
ですので、大切なのは、怖がりすぎることでも、放置することでもありません。一度きちんと確認することです。
結果の意味がわかり、次に何をすればよいかが見えると、不安は少し整理しやすくなります。尿潜血は、あなたを怖がらせるための結果ではなく、体の状態を確認するためのサインとして受け止めてください。
尿潜血だけでなく、尿蛋白やeGFRにも印がないかを確認しましょう。




